レポート
JBCF大星山ヒルクライムE3(福永)
2014年10月28日
福永です。
山口県熊毛郡にて開催されたヒルクライム大会に行ってきました。
体重測定は54.6kg、今季最軽量で個人的にはヒルクライムなレーシングウェイト。
2週間の間食制限がタイミングよく効いたみたいです。
レース前に一緒に参加するチームメイトと車でコースをざっくり下見。
見ただけでため息が出る激坂コース、20%ちかい勾配も散見されます。
車内の空気がずっしり重くなりますが、激坂好きの自分としては内心ワクワクでした。
戦前の予想では、元気のある内にリードを稼ごうをする選手が出てくるはずなので、それに惑わされて消耗してはいけないこと。
迷わず自分のペースで登るのが大事、ただしヘアピンが多いので前が見えなくなるのも許されない難しい展開になると考えました。
ゴールの位置は右コーナーを抜けて直ぐだったので、どこからスプリントするかもチェックです。
準備に手間取り、駐車場の前の道で15分程度ウォームアップ。
時間がないのでL6で30秒ずつ負荷をかけて心拍に負担をかけて、急なベースアップにも対応できるよう準備。
でも本当はもう少し時間を掛けてやっておきたかったです。
<レース前>
スタートは輪島に引き続き最前列から。
開始15分前になっても全然スカスカの並びです。
今回は皆最後の激坂が勝負どころと分かっているだろうから、積極的に前に並ぼうとする人がいなかったのでしょう。
竹芝レーシングの方々や顔見知りの方達とご挨拶。
勝負のイメージが頭の中にあったので、精神的にはリラックスした状態でレースに臨むことが出来ました。
マークすべき選手はずばり若い選手たち。理由は軽いから。
<レース>
10時丁度にスタート。
最初の登り口までは竹芝レーシングの足の大きな選手が引いてくれる。
彼は翌日のクリテが本番ということで、自ら前に出てくれた模様、感謝。
– 1番「緩」坂
2回の左カーブを経て、最初の坂道スタート。
平均勾配自体は緩いので、平均速度も速い。
集団先頭付近で、誰も飛んでいかないよう警戒モードで待機。
少し下って、2個目の坂スタート。
– 2番坂
効率のよい走りを考えると本当は抑えたほうがいいのだけど、それはあくまで単独で走る場合。
レースだと下りで差がつく+激坂に入るのは前々でないとマズイので、2番坂はほぼ先頭付近でクリア、多分3番手。
スポーツレクリエーション公園を左に曲がって、リアル激坂開始。
– 激坂3km
のっけから16%の勾配が正面にやってくる。
ここでダッシュをかましたりすると足の消耗が激しいので、340〜360wという燃え尽きラインギリギリで踏み出す。
最初の数秒で20人位に抜かれるが、気にしてはいけない、マイペース。
激坂の真中付近に下り道があって、その下りで周囲が足を止める中、出力を落とさず踏み続けそのまま勢いを付けて左から一気に前方に出る。
ここから先頭集団10人位の熾烈な我慢大会が始まる。
大学生の選手が果敢に逃げを試み、それを先頭集団が追う。
自分はその展開を後ろから見る位置で、その差は5mから10mくらい。
先頭はヘアピンで一瞬見失うけれど、手元のサイコン表示は310〜340w付近。
あれは絶対に長くは持たない、必ず落ちてくると信じて自分のペースを維持。
予想通り残り2km手前位から力尽きた選手が落ち始める。
一人抜き、また一人抜き、また一人抜き…。
残り1kmに入る手前で先頭は5人まで少なくなる。
しかし5人ではまだ多い。
ここで痛恨のミス発生、残り1kmの表示を見逃してしまう。
作戦では残り1kmで一気にスパートを掛ける予定だったのに、気がついたら残り500mのサイン。
– 残り500m
まず目の前にいた選手を、即座に勢いを付けて一気に追い抜く。あと4人。
そのままの勢いを落とさないで、もう限界なんだけど300〜400m手前で更に1人を追い抜く、前はあと3人。
ここで先頭のブラウブリッツェンの選手が突き放しに入ったので優勝は消えたけど、まだ2人は行ける・表彰台は狙えると諦めず、シッティングのままロングスパート開始。
頭のなかは、「昇格!!」の一念。
200〜300m手前で一人を抜いて、実質追いつけるのは後1人!
200mのサインが見えた瞬間、このレースで初めてサドルから立ってダンシングスプリント開始。
トルクかけ過ぎなのかメンテが出来てないのか、一瞬だけDi2が変速してくれなかったけど、残り100mでギアが入って足にペダルの重さが伝わる。
前のホンダ栃木の選手もラストスパートしてて、激しい息遣いが聞こえてくるが若干勢いがない、行ける!
ゴールは右コーナーを出てすぐだけど曲がりきらないと見えない場所にある。
大回りだけど左側にある少しの隙間から何も考えずに最後のモガキ、もう頭のなかは真っ白。
「ディヤァァァァァ!!!!」
ヒルクライムのゴールラインで想定外のハンドル投げ、本当にギリギリで追い付き、追い越した。
最後の差は半車輪差あるかないかだったと思う、本当に横並び、極わずか先行でゴール。
結果、2位。
ゴール後は酸欠状態でゴールライン脇に倒れこむ。
前に移動して、とJBCFのスタッフが言っているけど、身体がまったく動かない。
指も動かせないくらい身体がしびれてしまい、呼吸が整うまでしばらくかかった、ここまで追い込んだのは久しぶり。
… …
ゴール地点ではいろいろな人に声をかけてもらいました。
ホンダ栃木の選手は強かったし、ブラウブリッツェンの選手も物凄く強かったです。
一緒に先頭集団にいた選手の皆さんの走りには、心が何度も折れかけました。
今期は冴えない結果ばかりで表彰台と縁がなかったので、焦りがありましたが何とか形になりました。
でもまだ優勝ではないので、やるべきことがたくさんあります。
また次頑張ります。
<パワー解説>
当日の朝の体重:54.6kg
公式タイム:21分40秒
1番「緩」坂
平均斜度:2.9%
2:12、Ave. 251w(NP —w)、Max. 490w、87rpm
2番坂
平均斜度:7.0%
2:57、Ave. 320w(NP —w)、86rpm
激坂3km〜ゴール手前500mまで
平均斜度:9.5%、15+%区間が複数、瞬間最大斜度は25%くらい?
11:31、Ave. 292w(NP 298w)、78rpm、VI 1.02
*ガーミンの表示はほぼ310w固定で、時々傾斜のきつい箇所が350〜370w程度
ラスト500m
平均斜度:9.7%
2:10、Ave. 336w、Max. 524w、Ave. 75rpm:Max. 89rpm
全体(7.363km)
21:40、Ave. 271w(NP 296w)、80rpm、VI 1.09、Ave. 19.6km/h:Max. 53.4km/h
*IF1.153、TSS47.1と限界ギリギリに厳しいレースでした。出力的には予想通り今期最高記録になりました。
<オマケ>
今回何が苦労したって、車重です。
バイクが軽すぎて6.8kgリミットに引っかかるので色々重くする工夫を凝らしました。
Bike: Canyon Ultimate CF SLX + Shimano D/A Di2
Wheel: Shimano WH-9000 C24 TU
Tire: Continental Grand Prix 4000 TU 22c
Crankset: Power2max Type-S + Rotor Compact 50/34
Pedal: Shimano PD-9000
Casette: Ultegra CS-6800 11/25T(←D/Aだと軽いので、オモリ)
Quick Release: Dura Ace 9000系(←カーボン・チタン製だと軽いので、オモリ)
Chain: CN-6800(←D/Aだと軽いので、オモリ)
ペダルを下位グレードにする選択肢も有りましたが、カッコ悪いのでパス。
で、追加のオモリをクランクシャフトに仕込みました。
Rotorだと内径19mm、空間直径100mm位なので、これより短くて細い物だと入ります。
ブツは東急ハンズに売ってた鉛の真鍮棒、15mm径・長さ100mm。
ま、レース前の計量なかったけどね!SHOCK!