レポート

10/11 マイナビ ツール・ド・九州 2025 STAGE 1 福岡ステージ 厳しい展開になるもベンジャ7位、ジェラールが今季3回目の新人賞ジャージを獲得

2025年10月11日

2025年10月11日(土)、福岡県で開催されたマイナビ ツール・ド・九州 2025福岡ステージのレースレポートです。

Photo: ツール・ド・九州2025実行委員会

この日は筑後市の筑後広域公園を出発し、東へ進路を取りながら平坦区間を経て八女市黒木町へ。そこからオレンジロードのKOM(山岳ポイント)を含む16kmの周回コースを6周する、全長120.43kmのレース。このKOM区間は脚を緩める余地こそ少ないものの、傾斜は厳しくない上り。一見するとイージーな印象だが、道も狭く、勝負を決めるタイミングを見出すのが難しいコース設定。

Photo: ツール・ド・九州2025実行委員会

このセクションをどう乗り切るかが、翌日以降のステージ展開にも影響を及ぼすと見られていた。
チームとしては、エースのベンジャの総合上位を目指し、メンバー全員でアシストに徹することが目標となった。

Photo: OTA Nobuhiko

スタート直後に7名の逃げが生まれ、最大で3分近いタイム差をつける展開に。中盤まではこの逃げを中心にスプリントポイントやKOMポイントをめぐる攻防が続き、レースが活性化した。

Photo: OTA Nobuhiko

残り35km地点で逃げグループは全て吸収され、集団はひとつに。ここで阿部にトラブルが発生し、集団から離れるも猛烈に追走をここ見る姿が見られた。集団はトタルエナジーズが主導してレースをコントロールする形に。

Photo: OTA Nobuhiko

残り2周回のタイミングでレースは再び動き出し、ベンジャとジェラールを含む13名の逃げが形成される。
KOM区間でメイン集団では落車が発生し、いくつかのグループに分裂してしまう。
ここでは横塚や中島らが巻き込まれ、ペースを乱される場面があった。

Photo: OTA Nobuhiko

最終的に逃げ集団から2名が抜け出して勝負が決したが、粘りの走りを見せたベンジャが追走集団の先頭を獲って7位でフィニッシュ。
同集団内でジェラールも12位でゴールし、U23カテゴリー最高位となる新人賞を獲得した。
日差しの強い中、初日とは思えないハードな展開となったが、阿部・横塚・木村・中島ら日本人選手もそれぞれの役割を果たして完走。ベンジャ、ジェラールともにトップから1分51秒差でレースを終えた。翌日からこのタイム差を埋めながらジェラールのジャージをキープするため、明日以降も6名で挑む。

レース後、先月開催された「VC FUKUOKAヒルクライムチャレンジ八女」にも参加した簑原八女市長の挨拶のもと、表彰式が行われた。ジェラルドはグリーンの新人賞ジャージに袖を通し、今季の好調ぶりを改めて印象づけた。
今シーズンからチームに加入した22歳のジェラルド・レデスマは、2月のUCIレース「GP ASPENDOS」でいきなり逃げ切り勝利を挙げ、夏に東京で開催された「THE ROAD RACE TOKYO TAMA 2025」、先週の「おおいたアーバンクラシック ロードレース」に続き、今大会で3度目のUCIレースでの新人賞獲得となった。

Photo: OTA Nobuhiko

また、地元・福岡での開催ということもあり、チームとしてもこの日に向けて様々な応援企画を準備。
沿道には夏から進めてきた応援プロジェクトののぼり旗が立ち並び、オリジナルTシャツやハリセンを手にした多くの観客が声援を送った。
ボランティアスタッフをはじめ、惜しみないサポートをいただいたすべての皆さまに、改めて感謝申し上げます。
レースはまだ続きます。どうぞ引き続きVC FUKUOKAへの応援をよろしくお願いいたします。

 

 

🏁ステージリザルト

✅ベンジャミ・プラデス 7位
✅ジェラルド・レデスマ 12位
✅木村 純気 53位
✅阿部  源 55位
✅横塚 浩平 64位
✅中島 雅人 65位

 

🏁総合順位(トップとのタイム差)

✅ベンジャミ・プラデス 10位(+0:01:51)
✅ジェラルド・レデスマ 14位(+0:01:51)
✅木村 純気 53位(+0:06:30)
✅阿部  源 55位(+0:07:51)
✅横塚 浩平 64位(+0:07:54)
✅中島 雅人 65位(+0:11:06)

 

🏁新人賞

✅ジェラルド・レデスマ 1位

 

選手コメント

ベンジャミ・プラデス

レースは比較的落ち着いた展開で始まり、序盤から逃げが容認され、ペースもそれほど速くなかった。
1周目の時点で、このコースが自分の得意なタイプではないことに気づいた。危険な場面もあり、ポジション取りの緊張感はあったが、登りはそこまで厳しくなく、下りもそれほどテクニカルではなかったため、自分にとって理想的なコースとは言えなかった。
一方で、フィニッシュラインの設定は気に入った。
残り2周までは穏やかな展開だったが、登りへのアプローチで状況が一変。落車が発生し、いくつかのグループに分裂。自分は第2集団まで追いつくために余分な力を使うことになった。その時点で前方には少なくとも30人はいて、「これは厳しい」と思ったが、幸いジェラールが先頭グループにいた。
最終的には第2集団を引き上げて、最後の登りの手前で先頭集団に合流することができたが、すでに6人が前を逃げていた。
終盤のコンディションは良く、最後はグループスプリントを制することができた。
このあとのステージでどうなるか、楽しみにしたい。

 

ジェラルド・レデスマ

今日のレースはタフな一日だった。コース自体の厳しさというよりも、山岳区間へのアプローチの難しさに苦しめられた。危険ではあるものの、特にテクニカルというわけではない下りも難易度を高め、チームにとって得意なはずの地形で持ち味を発揮するのが難しかった。
それでもチーム全体のパフォーマンスは非常に良く、個人的にも最後までトップ選手たちと競り合うことができたのは嬉しかった。
残り1周の時点で先頭グループが形成された際、ベンジャに小さなトラブルがあったが、幸い自分の脚の調子は良く、上位選手たちの動きに対応して勝負に絡むことができた。
もし最終局面で逃げグループに乗れていれば、もう少し良い結果を残せたかもしれないが、今回は叶わず、結果的に逃げとの差は2分に開いた。
それでも、ベンジャはメイン集団のスプリントを制し、自分は新人賞を獲得。明日以降もこのジャージを守るために全力を尽くす。
沿道からの応援は本当に素晴らしく、このチームの一員として走れることを誇りに思う。
応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。

 

木村 純気

今日はベンジャとジェラルドに続いて上位でゴールしたかったが、位置取りで苦戦しじわじわと脚が削られラスト2周の登坂で遅れてしまった。
登坂での感覚的にコンディションは良いと思います。
明日以降もチームに貢献できる走りをしていきたい。

 

阿部 源

今日のレースは予想に反してスローペースで進行した。
有力チームが前方に固まっており、いつペースが上がるかわからなかったため、登り坂は毎周回前方で対応していた。
しかし、4周目の下り坂で前の選手のポケットから落ちたサコッシュを避けきれず、ホイールに絡まってしまうアクシデントが発生。その後も追走を試みたが、集団に追いつくことはできなかった。
コンディション自体は非常に良いことを再確認できたので、明日以降は最終局面までしっかり残り、チームに貢献できるよう努めたい。

 

横塚 浩平

序盤が思ったよりゆっくり進み調子も悪くなかったので終盤のペースアップに備えていたが、ラスト2周の登りに入る手前の落車に止められてしまい不完全燃焼でのゴールになった。
ベンジャは7位と高順位に付けジェラルドは新人賞を獲得し、チームは良い状態で明日を迎えられるので、自分も切り替えて明日のステージに臨みたい。

 

中島 雅人

地元でのレースを走ることができて楽しかった。
ラスト2周の登りに向かう途中で、小さな落車が起きて止まりきれずにソフトに倒れてしまった。怪我もなく無事ゴールした。
少しでもチーム貢献できるように明日も頑張ります。

 

フォトギャラリー

Photo: OTA Nobuhiko

 

Photo: ツール・ド・九州2025実行委員会