レポート
ツアー・オブ・ジャパン2025 8日間を振り返って〜選手コメント〜
2025年5月28日
チームとして初出場となったツアー・オブ・ジャパン。
この国内最長のステージレースでは残念ながらリタイアした選手もいましたが、ベンジャのステージ優勝やチームとして積極的にレースをコントロールする働きなど、大きなハイライトが生まれた8日間でした。
レースを振り返って、それぞれの選手・スタッフのコメントをご紹介します。
ベンジャミ・プラデス
とても高速で凝縮されたツアー・オブ・ジャパンでした。選手のレベルも非常に高かったです。
堺でのプロローグでは良い走りをしたいと思っていて、それは達成できたと思います。その後は、いなべ、信州飯田、相模原の3ステージを目標にしていて、総合順位が決まる富士山ステージでもベストを尽くしたいと考えていました。
序盤のステージでは感触はとても良かったのですが、レース展開によって毎回逃げ切りが決まり、勝利を争うことはできませんでした。
富士山ステージでは、自分の状態はかなり良かったのですが、筋肉の不調で本来の力を出せず、総合上位へのチャンスを失ってしまいました。それもあって、相模原ステージが実質的に最後の勝負のチャンスでした。幸いにも勝利することができ、結果的にポイント賞でもトップとなり、最終ステージではブルージャージを着ることができました。
最終ステージでは、チームメイトたちがブルージャージを守るために全力でサポートしてくれました。自分自身も良いスプリントができたのですが、わずかなポイント差で守りきることはできませんでした。
チームメイトの中には落車や体調不良などで厳しいレースとなった選手もいましたが、VC FUKUOKAとして確かな前進を感じています。特に後半のステージでは、チームメイトたちが非常に高いレベルの走りを見せてくれたことを誇りに思います。
チームとしてツアー・オブ・ジャパンでの初勝利を挙げることができました!これは本当に素晴らしいことです!そして、いつも通り、スタッフ、選手、そしてファンとの雰囲気も最高でした。少なくとも私にとっては、この雰囲気は勝利と同じくらい大切なものです。これを可能にしてくれたすべての人に、心から感謝しています。
今回のツアー・オブ・ジャパンでの経験を経て、次のレースが待ちきれません。
本当にありがとうございました。
本多 晴飛
今回のTOJ は元々出場予定ではありませんでしたが、頂いた機会に全力を尽くそうと意気込んで出走しました。
京都、いなべと最終盤に残れず自身の力不足を痛感しましたが、相模原ではベンジャが優勝してくれて最高の一日となりました。
最終日はポイント賞争いもあり、自分が中間ポイントを取れるかが鍵でしたが、ライバルにポイントを取られる結果となりました。悔しい場面が多く納得は出来ませんがチームで一勝挙げられたのはとても嬉しいです。
スポンサーをはじめ沢山の方々に支えられて8日間走り切る事が出来ました。現地でもサポーターの皆様の声援が力になりました。今後も応援よろしくお願いします!
奥田 和人
自転車始めた時から夢に見てたTOJ。経験も浅く不安な要素ばかりでした。
堺ステージから地元の京都、東京ステージまでトラブル無く走り切ることができ少し安心してます。
日に日にメンバーが限られていく中で第7ステージでBenjaが勝利してくれて個人としては完璧なアシストはできなかったけど、チームとして出来ることは最大限出来たのかなと思います。
8日間トラブル無く走りきれたのはサポートしてくださった方々や応援してくださった方のおかげです。
自分としてはまだまだ課題は山積みですがより良いチームを目指して、次のステージに向かって頑張っていきます!
8日間ありがとうございました!
ジェラルド・レデスマ
このTOJ(ツアー・オブ・ジャパン)は、チームにとって初出場ということもあり、とても重要なレースでした。
そのため、目標を勝ち取るには、すべての準備と作業をしっかりこなすことが不可欠でした。
レース序盤はチーム全体としても個人的としても好調で、上位に食い込む好結果を残すことができました。
しかし、私の体調が悪化し、歯の感染症に悩まされるようになってから、状況は一変して厳しくなりました。
最終的には何もできず、ステージ7で力尽きてリタイアしました。
幸いにも、ベンジャがエースとしての仕事をやり遂げてくれ、チームの勝利を掴んでくれたおかげで、私たちは最高の形でこの勝利を祝うことができました。
とても充実した経験となり、TOJを走ったことで日本のレースが好きになりました。
木村 純気
まずは8日間と言う長いステージレースでしたが連日の応援、サポート誠にありがとうございました。そしてお疲れ様でした。
個人としては初TOJでしたが、海外チームとの力の差を感じて心に余裕がなく、第5ステージで落車をしてDNFと言う残念な結果で終わってしまいました。しかし、チームとしてTOJ初出場の中、第6ステージでベンジャがステージ優勝と言う素晴らしい結果をもたらしてくれました。チームに素晴らしいGCライダーがいて最高な環境下でしたが、自分が力不足でやりたい事を出来ず悔しい気持ちでいっぱいです。今シーズンももうすぐ折り返しですが、1ヶ月後には全日本選手権、後半にはマイナビ ツール・ド・九州など主要レースはあるので思い通りの走りが出来るように精進します。そしてまた必ずTOJに再チャレンジします。
向川 尚樹
今回、TOJ出場のチャンスをいただいたものの、序盤のステージでタイムアウト。
チームの力になれず申し訳無いの一言です。
この失態は今後の走りで挽回します。
ご支援・応援ありがとうございました。
黒木 雄斗 マッサージャー
今回、TOJにマッサーとして帯同させていただきありがとうございました。初の帯同で不安がいっぱいでしたが、選手、スタッフのおかげで最終日までたどり着くことができました。
また、7日目の相模原ステージではステージ優勝を経験することができ、ロードレースに強く興味を惹かれました。
途中でDNFとなったメンバーもいますが、今後のレースでまた活躍するのを見るのが待ち遠しいです。
今回、VC FUKUOKAに関わらせていただき、貴重な経験をさせていただきありがとうございました。
星野 貴大 メカニック
今回、VC福岡のチームメカニックとして帯同させていただきました。
落車やコンディション不良でメンバーが離脱する厳しい状況の中、
選手とチームは前を向き、相模原ステージでベンジャがステージ優勝してくれました。
この最高な瞬間に立ち会えて大変光栄です。
また帯同する機会がありましたら、チームの勝利に貢献できるようにメカニックを努めさせていただきます。
佐藤 信哉 監督
2025年5月、VC FUKUOKAは初めてツアー・オブ・ジャパン(TOJ)という長丁場のステージレースに挑みました。
8日間の転戦を終えた今、改めてこの舞台に関わってくださったすべての方々へ、敬意と感謝の想いを記しておきたいと思います。
まずは、この8日間を懸命に走り抜いた選手たちをリスペクトします。
特に第7ステージ、ベンジャによる起死回生の勝利は、VC FUKUOKAの歴史に残る大きな一歩となりました。
しかしこの勝利は、レースを通じて献身的に動き続けたアシストライダーの存在があってこそ、チームとして勝利をつかむことができたと思います。
また、今回は出場メンバー以外のVCライダーも現地に足を運び、声援を送り、裏方に回ってサポートに徹してくれた姿勢に、チームの一体感を強く感じました。
そして後方支援についてですが、今回のTOJは、我々にとって初めての本格的ステージレース。
通常のワンデーレースとは規模もスケジュールもまったく異なり、事前準備から本番まで、これまでにない大きな挑戦となりました。
MAVICホイール12セットの準備をはじめとした機材面の事前準備では、サプライヤーのみなさま、機材管理をお願いしているガレージサイクルキッズ様、メンテをお願いしているジンジン福岡イワイ様に多大なご協力をいただきました。
大会本番では、唯一経験豊富なスタッフとしてメカニックに星野貴大が加わり、万が一のトラブルにも冷静かつ的確に対応。その誠実な人柄もあってか、沿道やライブ配信では「星野さんがんばれ!」という声援までいただき、チームの一員として心強い存在でした。
また、マッサージャーの黒木雄斗は選手の体のケアにとどまらず、補給・物資整理・サポート全般を献身的にこなしてくれました。彼の派遣にあたっては、まつい整形外科様(福岡市中央区桜坂)より10日間もの長期支援をいただき、深く感謝申し上げます。
さらに、車両3台をフル稼働させるためには裏方として動いてくれた3名のサポートスタッフの力が不可欠でした。今の時代、お金を積んでもこうしたサポートが得られないケースも少なくありません。本当にありがたい限りです。
我々を取り巻くレースについては、激闘を繰り広げたライバルの存在が大きかったと思います。
第7ステージでは、ワンティ・ニッポ・リユーズの今村駿介選手とベンジャが抜け出しからフィニッシュラインまで火花を散らすようなスプリントバトルを繰り広げましたが、ベンジャの勝利はこの今村選手の積極的な走りがなければ得られなかったと思いますし、最終の東京ステージでの宇都宮ブリッツェンの岡篤志選手とスプリント賞をめぐる攻防は、我々にも、また観戦者にも興奮をもたらせるものでした。
さらには、大阪・堺でのシマノレーシング、美濃ステージでの愛三工業レーシングチームはホームチームとしての存在感が大きく大会を沸かせていて、学びのあるものでした。
最後にそしてなんと言ってもファンのみなさまのご声援。
ステージ各地の沿道や会場、そしてSNSやインスタライブの画面越しに、たくさんの応援を送ってくださいました。
中には、大阪ステージからいなべや富士山までと連日駆けつけてくださった方、アクセスの悪い富士山、さらにはそこから一度帰福され再び東京ステージへ足を運んでくださった方もいらっしゃいました。
その行動力と熱意も我々の原動力になりました。
感謝をしてもし尽くせません。
本当にありがとうございました。
本大会で生まれた様々なシーンは2人のフォトグラファー、キナンレーシングチームの福光俊介さん(写真右)、そして日頃からお世話になっているKensaku Sakaiさん(写真左)に撮影していただきました。
この場をお借りして感謝申し上げます。