レポート

5/10 ツール・ド・熊野Stage3 終始アグレッシブに動き存在感を示したステージ

2025年5月10日

2025年5月10日に行われたツール・ド・熊野 第3ステージのレースレポートです。
レースは熊野市街地にある熊野スカイパーク球場をスタートし、スプリントポイントを経て西側に広がる山間部へ。この日のメインとなる、ユネスコのプロジェクト未来遺産に登録された「丸山千枚田」のKOM(山岳ポイント)を中心に4周回し、折り返して熊野スカイパーク球場に戻る全長107.7kmのコースで行われた。

序盤、スタート直後に設けられたスプリントポイントは、総合を争うライバル勢がタイムボーナスを狙ってくるが、それを阻止することもベンジャのアシストとなる。今回はスプリント力のある阿部がそれを阻むことを目的に挑んだが、惜しくも4番手で通過した。ただ、ベンジャをはじめ、チームの総合優勝へのモチベーションが一層高まる動きだった。

その直後、周回コースに入る手前のトンネルで集団落車が発生。エースであるベンジャとジェラールをはじめ、大半のライダーが巻き込まれてしまうが、ベンジャとジェラルドは阿部の献身的な牽引によりメイン集団への合流に成功。チームの機動力と連携が光ったシーンだった。

混乱が続く中、レースは勝負どころとなる丸山千枚田の周回コースへ突入。すでに有力選手とアシストを中心とした約30名にまで絞られた集団の中に、ベンジャとジェラールの姿もしっかりと確認された。

この日のコースは、夜間の降雨で路面が濡れており、急勾配のアップダウンや見通しの悪い急カーブが連続するテクニカルなレイアウト。非常にナーバスなコンディションの中、VC FUKUOKAの2人は積極的に仕掛け、展開の主導権を握ろうと試みる。

3周目を終える頃には、メイン集団はさらに絞られて約20名に。ここでトレンガヌが一気にペースを上げて選別をかけると、その隙を突いてVC FUKUOKAの2名はKOMポイント通過後の下りでアタック。ベンジャのMTB仕込みのダウンヒルテクニックを活かして一時は10秒ほどのリードを築く。
アタックの瞬間はこちらから

しかし、海外勢を中心としたメイン集団の激しい追走により、逃げは吸収。直後にソリューションテックとトレンガヌの2名がカウンターアタックを決め、最大45秒の差をつけてそのまま先頭をキープ。最後はソリューションテックのスチュワート・マーク選手が一騎打ちを制してステージ優勝を果たした。

メイン集団は追走を試みるも、トレンガヌのアシスト陣の強力なブロックに阻まれ、3位争いのスプリントへ。2名の抜け出しで、ラスト3〜4kmで完全に動きが止まったリーディンググループをベンジャのアシストの為に集団牽引したジェラルドは脱落し、19位でフィニッシュした。

木村、阿部、奥田の3名もグルペットで無事に完走し、VC FUKUOKAは5名全員が翌日の最終ステージに駒を進めることとなった。
惜しくも表彰台には届かなかったが、落車や天候の変化、ハイペースの展開の中でもチーム一丸となってアグレッシブに動き、レースの主導権を握る場面も多く見られたステージだった。

 

🏁ステージリザルト(トップとのタイム差)

✅ベンジャミ・プラデス 4位(+0:45)
✅ジェラルド・レデスマ 19位(+1:56)
✅奥田 和人 65位(+12:34)
✅阿部  源 67位(+12:34)
✅木村 純気 73位(+12:34)

 

🏁個人総合順位(トップとのタイム差)

✅ベンジャミ・プラデス  4位(+0:51)
✅ジェラルド・レデスマ 15位(+2:06)
✅阿部  源 52位(+13:49)
✅奥田 和人 67位(+17:18)
✅木村 純気 68位(+17:18)

 

フォトギャラリー

Photos: Kensaku Sakai