レポート

機材へのこだわり

2014年2月16日

寄稿者 森 幸一

私のこだわりはサングラスです。
よく見えるということは、情報量が多いということで
メリットを上げれば、路面状況の把握、危険回避に役立つ、
レース中の戦術的優位が増える、眼精疲労の軽減、
純粋に景色がキレイなど枚挙にいとまがなく、しかもまったく
デメリットがありません。

2012年冬に釣具メーカーZEAL社のDEFIという
サングラスを購入してから私のサングラス感は激変しました。
タレックス社のラスターブラウンという偏光レンズを使用していて、
このレンズに衝撃を受けたのでした。
まるっきりといっていいほど視界が違うのです。
・物の輪郭がはっきり見える
・雲をみたら飛行機で上から見た時のように立体的に見える。
・今まで気付かなかった路面の凹凸、轍が見える。
・木々は葉っぱの1枚、1枚がはっきり見える。
 (山野の緑を見て綺麗だなーと思ってしまうほどでした。)
とにかく良く見えるのです。

ただこのフレームは釣用のためスプリントのとき落としてしまうなど
フィット感が良くなかったため通勤用に格下げしました。
理想のサングラスを求めて、散々回り道をした上で
この2本にたどり着きました。

①日中用 レース使用を考慮してタイトな掛け心地
のフレームに汎用性の高いレンズを組み合わせました。
 フレーム オークリー アイジャケット(ジャガー柄)
 レンズ  タレックス トゥルービュースポーツ

②薄暮、夜間市街地用 ブルベ使用を考慮して
楽な掛け心地のフレームに可視光線透過率の高い
レンズを組み合わせています。
 フレーム オークリー モンスタードック
 レンズ タレックス ブラウンO.A.

(私はオークリーの8.75カーブに8カーブのレンズを無理矢理
入れています。メガネ屋さん的にはNGだそうです。)

回り道の過程で学んだことをつらつらと書きます。
サングラス選びの一助になれば幸いです。
他のサイトではレンズカラーによって写真を撮って
見比べれるようにしていたりしていますが、
実際に掛けてみないとわからないでしょう?
との思いから写真は載せません。(面倒なだけ!!)
タレックスの場合はすべてのレンズカラーが試着出来る
メガネ屋さんがあります。

自転車のサングラスに私が求めた機能は、
①視界が広い。
 視界にフレームがあまり入らない。
②プロテクター機能。
 目を風、ゴミ、紫外線から守る。
③ずれない。
 自分の顔にあっていること、接着面が滑りにくいこと。
④軽量で掛け心地がよい。
 疲れない、付けていることを忘れるような。
⑤デザイン性
 目立つほど性能がよい、人から珍しがられたいですよね。
 丸顔なら丸いフレーム、四角い顔なら四角いフレームが
 似合うといわれています。
⑥よく見える。
 目が良くなった様なクリアな見え方。
⑦光量に対する汎用性が高い。
 明け方、真夏の日中、夕暮れまで

①〜⑤まではフレームの領域です。
フレームはカーブ数とリム形状がフルカバーかそれ以外で
大別することができます。
カーブ数は4・6・8とありが数字が高いほど湾曲します。
①②③については自分の顔に密着するようなものを
選ぶとよいです。当然8カーブを選ぶことになります。
④に関しては鉄やチタンなど金属系のフレームではなく
セル系のフレームを選んだほうがよいです。
⑤はおまけ程度で①②③④の方が優先度は高いです。
レンズ交換を行う場合はフルカバータイプが必須です。
フルカバータイプは多少の重量増があるもののレンズの
下面、側面からの光の進入を防ぐため裏写りが抑えられ
るため見えるという性能はこちらのタイプが優れています。

フレーム選びのポイントは
セル系素材 フルカバー 8カーブで
ツル(こめかみ部分から先)、鼻あてにゴム素材などで
滑り止め処理してある物から自分の顔にフィットするもの
を選ぶといいです。

⑥⑦はレンズの領域です。
自転車にとって見えるとういのは重要な性能で危険回避に
もっとも直結する要素だと思います。

⑥色合いと偏光性能、矯正性能があります。
色合いは大別してナチュラル、コントラスト、ブライトネスとあります。
ナチュラルはグレー色調で自然な色合いに見えます。
コントラストは赤色調で物の輪郭がはっきりと見えます。
ブライトネスは黄色調で明るく見えます。
色合いについてはすべてを兼ねそろえることが不可能なため
用途によって使い分けるか、汎用性が高いものを選ぶとよいです。
また色合いによっては好みが分かれるので実際に掛けてみて
気にいった物を選ぶのが一番です。

偏光性能とは雑光をとる性能で偏光率とうい数値が高いほど
光のギラツキを抑えることが出来ます。
偏光レンズは高価なものですが、その効果は絶大でまるで
目が良くなったかのような錯覚すら有ります。
車窓の雑光が抑えられることで、車の中がよく見えるようになり、
ドライバーの動作により車の次の動きが予測出来ます。
携帯をいじっている場合は注意とか、左を見たら左折するかもとか
勝手に目に入ってきますのですごく助かります。

矯正性能は目が悪い方には必須の性能でしょう。
偏光レンズで選べば実質メーカーはKodak一択になって
しまいます。恐ろしく高価でレンズだけで6万円位でしょうか?
コンタクトレンズで補完する方法もあるようです。
自転車に乗る時は、かならずソフトタイプにしましょう。(師匠談)

⑦可視光線透過率という数字で表されています。
数字が低いほど暗く、高ければ明るいものになります。
一般的に日中であれば30%一つで事足ります。
よりよい視界を得たいのであれば、光量によって使い分け
真夏のカンカン照りなら15%くらい、朝夕のマズメなら40%
夜間は75%という具合ですね。
私の場合、夜目がとてもいいので、市街地など
一定以上の光量があるところでは、夜間走行時にも
55%のサングラスを掛けていた方がよく見えます。
(JIS規格では75%以上が、夜間運転適合レンズになって
いるのでおすすめは出来ません。あくまで私の場合はです。)
調光レンズといわれる周囲の光量にあわせて
可視光線透過率が変化するものがあり、実質これが
もっとも汎用性に優れていますが、トンネルなど
急な暗順応に対応できないこと、性能劣化が速いこと、
高価であることなどデメリットもあるため私は使用していません。

レンズ選びのポイント
レンズカラーごとに可視光線透過率が決まっていますので、
用途に合わせたレンズカラーの選択を行いましょう。
道路を見るならグレー系、落ち葉の多い冬山なら茶系、
緑の多い山中なら緑系など使用する場所に近い色を
使用すると一層効果が高まります。
目がいい人はタレックス社の中から選ぶのが無難です。
下記は自転車におすすめのタレックス社のレンズカラー
です。(括弧内は可視光線透過率です。)

日中のサイクリングで汎用性が高いものは、
 トゥルービュースポーツ(30%)グレー系
色合いの変化があまりなくてクセが少ないです。
コントラスト性能もそこそこありバランスが良いです。

晴れた日のレースなど
 ラスターブラウン(30%)茶色系
 アクションコパー(30%)赤色系、
コントラストが強く物の輪郭がはっきり見えるため
集団の動きが良く見え、距離感が掴みやすいです。

朝錬、山中など薄暗い場合は、
 イーズグリーン(45%)緑色系
 ブラウンO.A.(55%)茶色系
可視光線透過率が高く、あまり暗くなりません。
裏を返せば日中はまぶしく感じます。

レンズだけなら加工料込みで2万円はしないでしょう。
フルフレームのサングラスを使っているならレンズ交換だけで
本当によく見えるようになりますよ。

タレックス社からスポンサード頂いている訳ではないですが、
最後にタレックス社のキャッチコピーを紹介します。

「本当のサングラスを、かけたことがありますか?」